とけいのほん②
時計に興味を持ち始めた頃から、時計のお稽古にピッタリの1冊!上手に時計を読めるようになろうね。
☆特徴
- 「とけいのほん①」の続編。
- 1973年に発行された本。(50年前)
- ①を読んでいない方は①から読むと◎。ストーリーが①から繋がっている。
- 短い針をチビ、長い針をノッポと名前がついているから、理解しやすい。
- 時計の数字の間には5つのコマ(5分)があることを、視覚から理解できる。
- 読者参加型の絵本で、読者に語りかけ、問いかけるような内容。
- 繰り返し読む事で、時計をマスターする手助けになるような内容。
※「とけいのほん①」は、ちょうどの時間(長い針が12の時の時間)や半(30分)の時間を学び、読むことができます。「とけいのほん②」は、何時何分の時間を学び、読むことができます。二冊がそろった2冊セット版もあります。
☆読み聞かせのポイント
- まだ①を見ていない方は①から読む事を勧めます。内容が①から繋がっています。
- 「チビ・ノッポ」と、今はあまり良い表現ではないと思われる方がいるかもしれませんが、長い針と短い針に愛称をつけている事で、子ども達にも分かりやすいし、実際に時計を読む時にも伝えやすいです。(実践で使いやすい。)抵抗がある方は、その読み方に工夫をしてみましょう。「短い針くん」「長い針ちゃん」でもいいと思いますよ。
☆あらすじ
暗くて道が分からないチビとノッポ。どうしたらいいのー?と思っていたら、
「時計が読めたらランプをあげるよ」って、読者の君に絵本が言っています。
分かるかな?
ランプを持ったチビとノッポは、道を照らしながら進んで行ったよ。
すると、おばけの坊や達が、「今何時?教えてくれたら通してあげるよ!」って、二人に通せんぼ。
「もちろんいいとも!」
ノッポが持っていた荷車には5つのブロックが横に繋がったカードがあり、おばけの坊や達は数えて遊ぶよ。
数の数え方が分かったおばけ達は嬉しそう。
丸い円の中にチビの荷車にあった数字とカードを並べて時計にしたよ。
「12の所から2の所まで、カードはいくつ並んでいるかな?」
「12の所から6まで並べたら、いくつになるかな?」
カードの数を数えることが出来るようになったら、いよいよ時刻の読み方。
「ちびが8と9の間だね。ノッポは4の所だから20だね。これを8時20分って読むんだよ。」
さあ、読めるようになってきたら、色んな時間の時計に挑戦だ!
分かるかな?出来るかな?
そんな時、大きな金の袋を見つけたチビとノッポ。でもおばけの坊や達は金の袋の眩しさに逃げて行っちゃった。
金の袋の中から、金の時計が飛び出したよ!
何時かわかる?分かったら時計をあげるよ。
星もキラキラ輝いて、みんなの成長を喜んでいるよ。
今日はこれでおしまい。おやすみ。また明日ね。
☆書店員の感想
時計が読めるようになるのっていつ頃でしょう。小学校へ行くようになってから?
親としては、小学校へ行く前までに読めるようになると安心ですよね。
何時、何時半、を絵本で楽しみながら学べるのが「とけいのほん①」です。そして本書は「何時何分」を遊びの中で学び、読めるようになる絵本だと思いました。もちろん個人差はあるし、保護者や先生が教えるのももちろん良いし大事な事だと思うのですが、本書はなんといっても絵本を楽しむ中で自然と時計を知り、読み方を学び、自分でも読んでみたくなる工夫があります。そこが保護者として嬉しいポイントだと思いました。
本書は①②とあり、物語が繋がっています。
時計を読むには、段階を踏む必要があります。何時が分かったら、何時半かを理解して、そして最後に何時何分の理解へと進んでいきます。
一度に覚えるのではなく、①②と本が分かれているので、お子さんの理解速度に合わせて、急がずに、ゆっくりと読んであげる事が出来ます。
時計を覚える為ではなく、純粋に絵本のストーリーを楽しむ読み方も出来るので、年齢問わず楽しめます。
1年生の子ども達との関わりの中で、時計の読み方を教える時に私が感じた事。
私は以前学童保育で小学1年生の子ども達と接していたのですが、時計の何時や何時半は教えやすいし、多くの子ども達も理解が早いのですが、何時何分というのは教えるのに根気がいるし、本人が納得し自分で何分と言えるようになるまで時間がかかりました。
「何時何分」の読み方は、きっと私の関わった子ども達だけでなく、世界中の多くの子ども達が苦戦する物なのかもしれません。
しかし、逆を言えば、難しい程読めるようになった時の喜びは大きい!!
嬉しそうに「僕、時計わかったよ!!」「私、もう時計読めるし!」とニッコリ笑ってくれた子ども達の顔を思い出します。
本書はその手助けになる1冊だと思いました。
時計に興味が出た頃に遊び感覚で読んでみてください。1年生なら授業で習う分野ではありますが、もしそれだけで分からないよーと思っている子も、ぜひ本書を開いてみてください!
急ぐ必要はありません!ストーリーや絵を楽しむように、時計の読み方も楽しみましょう♬