ノラネコぐんだん カレーライス
ハラハラドキドキの展開で、冒険好きな子にピッタリ!子供から大人まで幅広い年代に人気なシリーズ絵本です!
☆特徴
- ノラネコぐんだんシリーズの1作。
- 8匹の黄色いネコのノラネコぐんだん。今日もイタズラを考えている。
- ワンワンちゃんのカレー屋さんをのぞき見から始まる物語。
- 上手くいっていた作戦も、トラに子分にさせられるアクシデントあり。驚きの展開。
- ノラネコぐんだんが命を狙われ、読者もドキドキ!!スリル満天!!
- 結局はワンワンちゃんに謝るシリーズではお決まりのエンディング。
- ノラネコの表情は無表情にも見えますが、実は真面目な部分や驚いたり焦ったり、悪さを考えたり・・・全員が濃いキャラクター!だからこそ面白くて可愛くて、賢いノラネコぐんだん!!
◎ノラネコぐんだん公式サイト 「ノラネコぐんだん」
☆あらすじ
ここは、ワンワンちゃんのカレー屋さん。川で採れたエビのカレーが人気です。
ノラネコぐんだんが、「食べたいね。美味しそうだね」と覗いています。
夜になり、ノラネコぐんだんはカレー屋さんに忍び込んでカレーを作り始めると、
美味しい匂いに誘われて、大きなトラがやって来ました。
作ったカレーは全てトラの胃袋の中。
毎日食べたいトラは、カレーの作れるノラネコぐんだんを家に連れて帰ってしまいました。
「今日から俺様の子分だ!」と言われたノラネコぐんだんは、せっせと親分にエビ入りカレーを作ります。
だんだんカレーの味に飽きてきたトラは、肉入りのカレーが食べたいと言い始めました。肉と言うのはノラネコ軍団の事。
危険を感じたノラネコ達はパニックです!
調度その時大きな雷が鳴り響き、稲妻の光で一瞬辺りが見えなくなりました。トラの隙を見て、ノラネコぐんだんは逃げ出しました。
必死にお鍋を舟にして川を下り逃げるノラネコ達を、スゴイ形相でトラが追ってきます。
行く先に滝があることに気がつかないノラネコぐんだんは、「追いつかれる!!」と思った瞬間、その滝にドボーンと落ちてしまいました。
落ちた先は、ワンワンちゃんのカレー屋さん。水しぶきでお店はビチョビチョ。お鍋と釜はボロボロ。
ワンワンちゃんは、ノラネコぐんだんにお説教です。
「ニャーニャー」と正座をして謝るノラネコぐんだん。
次の日は、お詫びにカレー屋さんで仕事をすることになりました。
大繁盛のカレー屋さん。

☆読み聞かせのポイント
- ノラネコぐんだん達の「ニャーニャー」などのセリフにピッタリだと思うトーンを自分なりに見つけてみましょう!私は気持ちの入っていない感じで読み、子供にうけました。あなたならどんなトーンでセリフを言いますか?私も未だに色々と模索中です。
- ノラネコ達が逃げるシーンはハラハラドキドキ感を出す為に、少し大げさに「危ない!!」とか「急げ!追いつかれるぞ!!」と読むのも良いと思います。鬼気迫る感じと、その後の安堵した感じを出せると面白いですね。
★参考文献「ノラネコぐんだんが出来るまで密着取材!」絵本作りに密着した記事。
『親子時間』をもっと楽しく! 子育て情報誌kodomoe(コドモエ)web は、こちら
記事の中に、「年齢を問わず、いろいろな人に面白いと感じてもらえるものを作りたいと思うんです」と、工藤さんのコメントが書かれていました。大人から子供まで幅広い世代から人気がある理由が、私はこの想い・言葉にギュッと込められているように感じました。
☆書店員の感想
ノラネコぐんだんの魅力と言えば、無表情にも見える真っ黒な目と、ふっくらした体型と、とにかくイタズラ好きで憎めないキャラクターな所でしょうか。
ノラネコ達8匹の中で、見た目の個性はおそらくないと思うのですが、一人一人の行動に目をやると、なんとも言えない可愛らしさを感じます。
「カレーが美味しそうだね」と下をペロリと出して、お腹をグーと鳴らす姿や、トラの為ににせっせせっせとカレーに入れる材料をみんなで準備している様子、最後にわんわんちゃんのお店を直すのに文句も言わず働く様子。
そのどれもから、8匹の可愛らしさを感じることが出来ます。
●「ノラネコぐんだん」シリーズでは、いつも決まってノラネコ達のイタズラ心から始まります。そして、やってみるんだけど結局失敗したり邪魔が入り、思った通りに行かなくて、最後はワンワンちゃんの店を壊して、イタズラが全てばれて、怒られ「もうしませーん」と反省します。お決まりのパターンなのに、いつもハラハラドキドキさせてくれて、ビックリさせてくれて、笑える面白さがあります!
本書では、ワンワンちゃんのカレー屋さんをのぞき見するノラネコぐんだんの様子から物語が始まります。途中で大きなトラが現れて、ノラネコ達を自分の子分にしてカレーを作らせようと連れて行ってしまいます。そこで素直に連れていかれるノラネコぐんだん。
めんどくさがり屋のノラネコ達は、「逆らったら危ないな。ここは一つ穏便に済ませよう。」と言わんばかりに、黙って連れていかれるのです。8匹もいるから、中にはトラに連れていかれたら楽しい事が起こりそう!?と好奇心旺盛だから思った子もいるかもしれませんね。どちらにせよ読者にとって不安でいっぱいの前半戦です。
●エビカレーに飽きたトラ。「お前たちの肉を使ったカレーを・・・」と言われ、命の危険を感じたノラネコ達は、一斉にトラネコから逃げます。
その瞬間、急な稲妻の激しい光が辺りを真っ白にした瞬間、ノラネコ達の逃亡劇がスタート!!トラのすさまじいスピードや恐ろしさから一体どうやって逃げるのか、ハラハラドキドキの展開に、読者も息を飲みます。無事に逃げられるのか。見どころです!!
●滝に落ちたノラネコぐんだん。絶体絶命のピンチに、読者は心配になる所なのですが、なんと落ちた先はワンワンちゃんのカレー屋さんでした。ちゃんと戻って来れた訳なのです。しかし・・・。もともと夜中に忍び込んでカレーを作っていた所にトラが現れて、鍋とお釜を持ってトラの家に行ったという事と、滝に落ちた事でみんなの落ちた水しぶきが店中に入ってしまったという事が重なり、ワンワンちゃんのカレー屋の店も、カレーを作る鍋やお米を炊くお釜もグッチャグチャ・・・になってしまいました。
ワンワンちゃんは「これは一体・・・」と呆然とした後、全てはノラネコ達の仕業だな・・・と気がつき、ノラネコ達を全員集めて叱ります。
●怒っているワンワンちゃんと反省していそうでしていないようなノラネコぐんだんの会話のやりとりも、「ノラネコぐんだん」シリーズのお決まりシーンです。
「悪いと思っているんですか?」「思ってまーす。ニャーニャー。」と、この会話が私は大好き。絶対悪いと思ってないやつじゃーん!とツッコミを入れたくなります。
シリーズはまだまだ続きます。また、同じようなイタズラをしてワンワンちゃんに怒られる事を考えると・・・毎回繰り広げられる反省シーンのノラネコ達は、やっぱり反省していないのかもしれませんね。(笑)
そこもまたノラネコぐんだんの面白さであり、可愛らしさなのではないかと思いました。シリーズはまだまだ続くようです。今後のシリーズが楽しみです☆
- 作品名:ノラネコぐんだん カレーライス
- 著者名:工藤ノリコ 「工藤ノリコ&工藤利幸のオフィシャルサイト」
- 出版社:白泉社