〈ボード・ブック〉コロちゃんは どこ?
コロちゃんはどこに行ったのかな?コロちゃんを探していると、意外なところからたくさんの動物が現れます!かくれんぼや動物が好きな子にピッタリ!
☆おすすめポイント
- アメリカの絵本。
- 作者のエリック・ヒルが息子のために描いた第1作目の絵本。
- お家の中のいろんなしかけをめくるのが楽しい絵本!
- たくさんの動物に出会えます。
- 『いないよ』のいろんな返答も面白い!
- 可愛らしく、オシャレな色合いでワクワク感たっぷり。
- ボードブックで丈夫。赤ちゃんから楽しめる!
- 英語にも楽しく触れられます。
☆読み聞かせのポイント
『コロちゃんはどこにいると思う?』『ここをめくるとなんの動物がいるかな』等と声をかけながら、しかけをめくったり、お子さん自身でめくってみたりしながら読み進めていくと、お子さんもワクワクしながらお話を楽しめます。
また、それぞれ出てくる動物たちの言葉を、その動物の声を想像してちょっと声を変えながら真似をして読んでみるのもおすすめです。百獣の王ライオン…、可愛らしいペンギン…、元気いっぱいのサル…、どんな声かな。きっと、動物に対するイメージもお子さんによってさまざまですね。読むたびにいろんな発見がありそうです。
さらに、コロちゃんをまねてかくれんぼごっこを楽しんでみるのも、ワクワクどきどき、絵本の世界に入ったようで心が弾む親子のひとときになると思います。
☆あらすじ
ごはんの時間になりました。お母さんはもう食べ終わりましたが、コロちゃんは戻ってきません。どこに行ったのかしら?お母さんは探し始めます。
まずたどり着いたのは青いドアの前。ドアの後ろを覗いてみると。いたのははちみつのビンを抱えた大きなクマさんでした。ここにはいませんでした。次に、大きな時計の前に来ました。時計が上にあり、下の部分は扉になっていて開くようなつくりになっています。扉を開くと、コロちゃんではなくヘビがいました。クルクルととぐろを巻いて立ち上がっているようです。『おりません』と教えてくれました。
その次は、パッと目を惹くようなピンク色をしたグランドピアノです。ピアノの屋根を開けると…。そこには、大きなカバと、黄色い鳥が一緒に入っていました。コロちゃんはここにもいません。
次は黄色の階段の、階段下収納の前に来たお母さん。ここかな、とその扉を開くと…。そこにいたのはお母さんの倍くらいの顔の大きさのライオンでした。コロちゃんがいなくて、お母さんはなんとなく寂しそうな表情をしているようです。
今度は黄緑色のタンスの前に来ました。絵本の文章ではタンスと描かれていますが、クローゼットのようです。ガラスの扉でなんともオシャレな感じもします。
扉を開くと、ハンガーをかける部分のポールにつかまってぶら下がるサルがいました。手にはバナナを持ち、いないよと教えてくれました。
コロちゃんはどこにいるのでしょうか…。
ベッドの下も探してみることにしました。側面が紫色のベッドにピンクの布団とカバーがかけられ、ベッドと同系色のライトも壁についていて、可愛らしい雰囲気のベッドルームです。ベッドの下を覗き込むお母さん。しかしいたのは大きな口をしたワニでした。オレンジの箱の中も探しますが、そこにいたのは3羽のペンギンでした。
全体が黄色で、フチが青色の絨毯があり、その真ん中が盛り上がっています。コロちゃんはそこね!と見てみますが、いたのはカメでした。けれど、このカメがバスケットを見てみてと教えてくれました。お母さんはバスケットに駆け寄ります!
バスケットのフタをめくると、可愛らしい子犬のコロちゃんが顔を出しました。お母さんはホッと一安心。コロちゃんもようやく、ごはんの時間です。
☆際立った特徴
コロちゃんシリーズの最初の冒険の絵本です。小さい子犬のコロちゃんが、お家の中でどこかに隠れてしまうのですが、コロちゃんにとってはお母さんから離れる大冒険!どこにいるのかな、探しても探しても見つからない…そんなお母さんのそわそわする気持ちと、早く見つけてほしいな、お母さんまだかな~というコロちゃんのドキドキ感が伝わってくるようなお話です。たくさんの可愛らしい動物たちも出てきて、しかけをめくるたびに新たな発見の連続です。また、小さいお子さんでも読みやすいようにボードブックで作られています。ページがめくりやすく、丈夫で長く楽しめます。
☆書店員の感想
コロちゃんはどこへ行ったのかな?姿の見えないコロちゃんを探すお母さん。ここかな?しかけをめくって探し当てましょう!
表紙には心配そうに箱の中を覗くお母さんの姿。裏表紙には、コロちゃんとお母さんがじゃれ合っている姿が描かれています。お腹を上にしてニコニコしているお母さん。いつもこうやってコロちゃんと遊んでいるのかな、と想像が広がります。
しかし。どこかに隠れてしまったコロちゃんを見つけ出すまでは心配でたまらなかったことでしょう。ごはんの時間なのに、コロちゃんは姿を現しませんでした。『コロ』と名前が書かれたお皿はまだごはんがいっぱい入っています。コロちゃんを探し始めたお母さん。ドアや時計、階段の下など探します。大きい扉や両開きの扉、ピアノの屋根もめくるしかけになっているので、ここにはなにがいるのかなと、つぎつぎめくるのが楽しみになっていきます。ベッドの下や、絨毯の盛り上がっている部分も、めくって確かめずにはいられないような気持ちになってきます。コロちゃんのお母さんと一緒に、しかけをめくって中を見てみましょう!
コロちゃんも含め、全部で10種類の動物が出てくるにぎやかな絵本です。動物が好きな子におすすめです。
クマ、ヘビ、カバ、トリ、ライオンなど、子どもたちに人気の動物たちが、しかけをめくると次々出てきます。また、はちみつのビンを持っているクマがいたり、サルはバナナを片手にポールにぶら下がっていたりと、それぞれの動物の特徴が描かれているものもあり、動物たちの仕草や表情にも癒されます。そして、『いないよ』ということをそれぞれ違う言葉で表現されているのも特徴のひとつのように思います。『おりません』『いないぜ』『おらんぞ』など、いろいろな返答があり、ついつい真似してみたくなります。
色合いが豊かで、ページごとにキレイな色の家具や家の中の様子が描かれています。愛嬌たっぷりな動物たちと組み合わされて、ワクワク感が高まります!
まず、表紙・裏表紙の背景のグリーンがパッと目を惹きます。コロちゃんのお母さんが箱の中を覗いていますが、細い線でイラストが描かれ、その中をふんわりと優しく色づけされています。一見シンプルですが、コロちゃんやお母さんの表情や気持ち、動物たちの愛嬌や特徴、そしてすっきりとおしゃれなインテリアを魅力的に表現しているように感じます。黄色やピンク、黄緑色などページをめくるごとにキレイな色が目に映りますが、どの色も主張しすぎず調和がとれているようです。しかけをめくったそのふたやドアの裏の部分にも色がつけられ、本物をめくっているような楽しみがあります。
アメリカの作家が作った絵本。英語を身近に感じられるかもしれません☆
この絵本は、アメリカの作家、エリック・ヒルが描いたものです。自身の息子のために描いた第1作目で、アメリカではコロちゃんではなく、『Spot(スポット)』という愛称で広く親しまれています。『コロちゃんはどこ?』の本は、もとは『Where’s Spot?』というタイトル名が和訳されたもので、日本でも和訳されたコロちゃんシリーズの本がたくさん読まれています。文章は日本語も英語も簡潔で小さいお子さんにも分かりやすく書かれ、イラストからもその場の様子が伝わりやすく描かれています。日本語のコロちゃんと英語のSpot(コロちゃん)とを読み比べてみるのも、新たな発見・楽しみにつながるように感じました。
赤ちゃんのころから長く楽しめます♪
この本はボードブックになっています。我が家でも娘が生後10か月~11か月くらいのときに一緒にこの本を読みました。しかけをめくるのは少し難しく破ってしまう可能性もありますが、動物や犬に興味津々でどのページもじっと見たり、声を出して楽しんでいるようでした。また、ページをめくると次のページも少し浮き上がってきますので、自分でめくって見ているときもありました。カバーを外すと角も丸くなっていますので、小さいお子さんにもおすすめの絵本です。『わんわんだね』と動物の名前など声かけしたり、『いないいないばあ』と開いたり閉じたりして楽しむこともできます。
赤ちゃんの頃から長く楽しめ、しかけがワクワク感を誘い、コミュニケーションも広がる絵本です。ぜひ、コロちゃんのお母さんと一緒に、コロちゃんを探してみましょう!
- 作品名:〈ボード・ブック〉コロちゃんは どこ?
- 著者名:エリック・ヒル さく まつかわ まゆみ やく
- 出版社:評論社