いぬの おまわりさん

ユーチューブで保育士書店員が詳しく解説しています

童謡「いぬのおまわりさん」のうた絵本です。歌やお買い物好きな子にピッタリ!迷子にならないようにママと手を繋いででかけようね★

☆3つのおすすめポイント

  1. 子どもは必ず1度は経験するであろう「迷子」を歌で表現した童謡「いぬのおまわりさん」に、迷子になる前のエピソードとして”ママと買い物へ行った先ではぐれてしまう”ということと、”迷子になった子猫をママが探しに行って、おまわりさんの元へ迎えに行って再会する”というストーリーを加えて描いています。
  2. 慣れ親しんだ歌と共に、絵本が進んでいくので、赤ちゃん時期から大きくなるまで長く読んで、楽しめそうな絵本です。
  3. 迷子になった子猫ではなく、題名が「いぬのおまわりさん」というところに注目してみると、物語はもっと楽しくなります。

☆あらすじ

子猫ちゃんは、これからママとお買い物に出掛けます。ママがお買い物をしているとこねこちゃんはどこかへ行ってしまいました。気づいたらママがいない!?泣き出した子猫ちゃんの元へ犬のおまわりさんが駆けつけます。犬のおまわりさんは、こねこちゃんに名前や住所を聞きますが泣いてばかりで答えてくれず、わかりません。「んー困ったなあ」と犬のおまわりさん。

おんぶをして子猫のお家を探します。カラスに聞いてもスズメに聞いても子猫ちゃんのお家は知りません。子猫ちゃんに聞いても泣いてばかり・・・犬のおまわりさんも、困ってしまって「わんわんわんわん わんわんわんわん」

そこへ子猫を探していた子猫のママが駆けつけました。「ママー!」と、ママとぎゅー!!と抱き合って喜ぶ子猫ちゃん。会えてよかったね♬ 安心した一同でした。

いぬの おまわりさん 表紙

☆際立った特徴

童謡「いぬのおまわりさん」に少しストーリーを加えて頭の中で歌詞の情景や、登場人物の気持ちを、もっと理解しやすいようにと、描いています。迷子になった子猫ちゃんと、ママを探してあげたいけど泣いてばかりの子猫ちゃんに困った犬のおまわりさんの掛け合いが面白いストーリーです。さあ、子猫ちゃんのママは見つかるのかな?

☆書店員の感想

本書を読んだ後は、お子さんに、迷子になったら大変だから、手を離しちゃいけないよ!とお話するチャンスです!!迷子になったあなたも怖い思いをするし、お母さんんも心配で心配で怖いし悲しい思いをするから、行きたい場所があっても勝手に行ったらいけないよ!と、お出かけ前はもちろん、夜に寝る前の読み聞かせ時にも教えてあげられる絵本だと思いました。

我が家でも、耳が痛くなるほど迷子にならない為に約束をしましたが、繰り返し繰り返し教えていく事が大切なのではないかと思います。本書は、「迷子になったら大変だな」「離れてはいけないのだな」と自分自身で感じたり、幼いお子さんへ伝わりやすいストーリーだと思いました。

迷子になった子猫ではなく、題名が「いぬのおまわりさん」というところに注目してみると、物語はもっと楽しくなります。

主人公は迷子になった子猫ちゃんのようで、犬のおまわりさんのような、ダブル主役なのかな??と思いました。迷子になった子猫ちゃん、「迷子」は、子どもなら誰しもが1度は経験する事ではないでしょうか。一緒に出掛けたのに、何かが気になって少しママから離れて行ってみたら、どんどん興味をそそるものが目に入ってきて、誘われるようにどんどん好きな場所へ行ってしまって、気が付いたら「あれ?ママ!?」とママがどこにもいない事に気づく。という・・・。親としては”ぞーっ”とする出来事ですね。でも、子どもにとっては親が気づいていないだけで、スーパーなどでお菓子を選んでいたら一瞬親を見失って、探したら側にいてほっとした、など、実はよくある事なのではないかと思います。

本書の子猫ちゃんも同じように少しだけ離れたつもりが、ママが見えない所まで離れてしまいました。きっとビックリしたのでしょうね。「泣いてばかりいる子猫ちゃん」は、自分を助けに来てくれたおまわりさんに対しても、お名前もお家の場所も言えないほど動揺して困って泣いているのでした。

一方で助けてあげたいのに、お名前もお家も教えてくれない子猫ちゃん、大人だって誰でも困惑するような場面でね。それに対して「どうしたらいいなだー」と泣き出しちゃった犬のおまわりさん。私も大人ですから、犬のおまわりさんの気持ちがよく分かります。

実は、私の数少ない子どもの頃の記憶の中に、この「いぬのおまわりさん」の童謡にまつわる思い出があるのですが、それは、【なんで迷子になった子猫が泣いているのにおまわりさんまでなんで「わんわんわんわーん」と泣くのか!?しかも、子猫の声より大きそう・・・。大人のくせに、変なのー】という事です。めちゃくちゃ生意気な子どもでした…笑

おそらく、まだ幼かった私は、迷子になった子猫の気持ちは分かるけど、犬のおまわりさん気持ちが分からなかったのだと思います。そして、大人は強くてあまり泣かないと思っていました。そんな幼い頃の私に、ぜひ本書を見せてあげたい!!と本気で思いました。

本書は子猫の不安な気持ちはもちろん、何よりも犬のおまわりさんの気持ちがよーく伝わる絵本だと思いました。子猫の不安な気持ちと同じくらい、犬のおまわりさんだって不安で困って泣いちゃったんです。

私も実は子どもの頃よくデパートで迷子になりました。そして息子たちが幼い頃はよく迷子になり、探して走り回りました。どちらも経験した私には、子猫も犬のおまわりさんも、子猫のママの気持ちも、どれも痛いほど気持ちが分かるストーリーです。その息子がもうすぐ中学生。今となってはそんなこともあったなーと、穏やかな気持ちで幼い子ども達を思い出せる絵本です。

最後にいぬのおまわりさん、よくがんばってくれました!!と感謝を込めて。敬礼!ビシッ!(裏表紙へ ↓)

いぬの おまわりさん 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。