くだもの
赤ちゃんから楽しめる『みずみずしいおいしさ』が詰まった絵本。食育にもピッタリ!あ~んと召し上がれ。
☆おすすめポイント
- 美味しそうな果物がたくさん!小さい赤ちゃんから楽しめます。
- 食育にもおすすめ。まるごとの果物と、カットフルーツがまるで本物のように描かれています!
- さあ どうぞ。と差し出される果物に、たくさんの愛情が詰まっています。
☆際立った特徴
- 子どもが大好きなくだものがたっくさん!
- どれを見ても食べたくなる!
- 繊細な色彩で描かれ、まるで本物のよう。
- 温かみや優しい愛情も感じられます。
- はい、あ~ん、とやり取り遊びも楽しめます。
- くだものの断面や、皮のむき方なども自然と知ることができます。
☆読みきかせのポイント
新鮮なくだものたち。どれが好き?一緒に食べよう、と声をかけたり、あ~んと食べさせ合いっこも楽しそうです。また、くだものがまるごとの絵と、すぐ食べられるようにカットされた絵の両方が描かれていますので、カットの方法や皮のむき方、はたまたどんなふうに実っているかなどの会話を広げるのもいいですね。
☆あらすじと書店員の感想
・美味しそうな果物がたくさん!小さい赤ちゃんから楽しめます。
小さいお子さんって、くだものが大好きなことが多いですよね。我が家も子どもたちは競うように出されたくだものを食べていて、毎朝、何かしらのくだものを食べています。
裏表紙に2才~4才むきと描かれていますが、離乳食が始まった赤ちゃんにも、くだものを食べ始めたときなどに絵本を見ながら「これは○○だよ、とっても甘いね」など、声をかけると、自分の食べているものとつながったり、味のイメージが広がったり、食への関心が増すように感じました。くだもののそれぞれの赤色やオレンジ、紫色などとってもきれいな色で描かれていますので、離乳食が始まったくらいの赤ちゃんでも、くだもののそれぞれの色を見て目で見る楽しみが得られ、良い刺激になるように思います。
・食育にもおすすめ。まるごとの果物と、カットフルーツがまるで本物のように描かれています!
スイカやりんご、栗やいちご、バナナなど表紙のさくらんぼも含めると11種類のくだものが描かれています。スイカはどどーんと見開きのページに大きく描かれていて、どのくだものもほぼ実物と同様の大きさになっています。背景はどのページも白色で、くだものの色が引き立ち、立体感があるように見えます。どのイラストも、質感や光沢、器の透明感、表面のかたさやみずみずしさなどがどれも本物のように繊細かつあたたかさを感じます。また、差し出してくれる手も実物のような大きさと身近な人の手のようにぬくもりがあり、本当にくだものを差し出されているような臨場感があります。
さらに、カット前の丸ごとそのままのくだものと、カットされていますぐ食べられるような状態になっているくだものとが交互に描かれていることで、どのようにカットされているのか、カットされる前はどのような状態だったのか、皮をむくために使った道具は?など、そういったことを知ることができたり、会話が広がることで食に興味が湧き、食育にもつながるように感じました。
・さあ どうぞ。と差し出される果物に、たくさんの愛情が溢れています。
フォークでさしたくだものを差し出してくれる温かな手。みかんをつつむふんわりと優しい両手。いちごのヘタもとってくれて器にもりつけてあります。くだものを洗って、食べやすくカットしてくれて、器に盛り付けてくれる。すべてが食べてくれる人への愛情ですね。
くだものの美味しさや新鮮さとともに、そういった愛情や優しさもギュッと詰まっているように感じました。
「くだもの」の絵本は、1981年にはじめての絵本が出され、40年近く親しまれている絵本です。くだものの美味しさも、美味しく食べてもらいたいというあたたかい気持ちも、かわらず読み継がれているように思います。最後には、バナナの皮をむいてこちらを見ている女の子に「じょうずにむけたね」と声をかけているようなお話で終わっていて、子どもも自分でやってみたい!という気持ちが芽生えるかもしれませんし、そのようすを見守るおうちの方の姿も想像したくなりました。美味しいくだものと、あたたかい愛であふれた絵本です。
- 作品名:くだもの
- 著者名:平山和子
- 出版社:福音館書店