チキカングー
楽しいリズムで、動物やお友達と楽しく行進!陽気な赤ちゃん絵本☆
☆特徴
- タンバリンを持った犬が登場。
- 楽しい合言葉【チキカングー】を歌って踊りながら、仲間が増えていく!
- 泣いている子も、笑顔になること間違いなし!
- ちょっとシュールで愛嬌のある登場人物たち。帽子をかぶり、赤い靴を履いている犬、二足歩行のネコ…シュールでありながら、心温まるような優しいイラストです。
- 作者・樋勝朋巳さんの、はじめての赤ちゃん絵本。作者さんの温かい気持ちも込められた絵本で、絵本に付属されている樋勝さんのメッセージもとっても心に響きます。
☆読み聞かせのポイント
- 不思議な言葉、【チキカングー】。ぜひ、声に出して読んでみましょう。なんだか楽しい気分になってきますよ。
- 【チキカングー】【チキカーン】の言い方、発音、声色…読み手によって違う、それが面白い!家族で読み合ってみましょう。
- 犬やネコ、サツマイモなど、身近な生き物などが登場します。〇〇が来たね、次は何が来てほしいかな、とお話が膨らみます。
- 犬はタンバリンを持っています。タンバリンを鳴らすと楽しいね、タンバリンって何かな。楽器にも興味を持つかもしれません。機会があれば、実際に鳴らして【チキカーン!】したいですね。
☆あらすじ
赤と白の縞模様の帽子をかぶり、赤い靴を履いてまるでタップのリズムを踏んでいるかのようなようすのわんちゃんが登場します。
手にはタンバリンを持ち、「チキカーン」「グー」と、楽しそうに左右向きを変えて踊っているようです。
そこへ、ねこちゃんがやってきました。お友達でしょうか、いぬに片手を少し伸ばし、挨拶しているよう。
ねこちゃんはわんちゃんの後ろから肩に両手を置き、一緒に行進を始めました。
つぎにおいもちゃんと出会います。いぬもねこちゃんも嬉しそう。
おいもちゃんはねこちゃんの後ろに行き、ねこちゃんの肩に手をのせ、行進の仲間入り。
つぎに、もじゃもじゃ頭のメルちゃんに出会います。
メルちゃんはおいもちゃんの後ろに行き、同じように肩に手を置き一緒に歌い、進み始めました。
すると今度は泣いているぼっちゃんが!迷子になってしまったようです。
ぼっちゃんは大丈夫かな…?ほっこりとしたラストシーンが待っていますよ。
☆書店員の感想
●ことばの響きが楽しい【チキカングー】。一度聞いたら忘れられません。「チキカーン」と言って、一緒に踊って遊びましょう。
タイトルを見たとき、「チキカングーって、何だろう!?」とまず思いました。そして、思わず口に出して言ってみたくなる言葉です。実際に発音してみると、不思議。なんだか楽しい気持ちになってきます。そして、その絵本の中身も気になってくる…という、なんだか引き込まれる絵本だな、と思ったのが第一印象でした。
ひらいてみると、二足歩行で擬人化されているわんちゃんやねこちゃん、おいもちゃんも登場して、さらに陽気なチキカングーワールドが広がっていきます。
「チキカングー」は、弾けるような発音の文字が並んでいるので、声に出して読むと耳にポップに響くように感じました。初めて聞く言葉だけれど、一度聞いたらつい思い出してしまうような不思議な言葉。「チキカーン」と歌っているわんちゃんの声を聞いて、ねこちゃんたちもつられて遊びにきてしまったのかもしれませんね。
このお話を読んで、私の祖母は生前、よく「グー」と言っていたのを思い出しました。料理をして味が決まると「グー」、いいよの合図で「グー」。なんだか嬉しい気持ちになります。「チキカングー」と声を出して読むとき、「グー」もいろんな読み方で楽しめそうだし、日常の中でも馴染みそうだなと感じました。
読む人によって、新たな響きや音の楽しさが生まれそうな言葉にも思います。家族で自由に「チキカーン!」と言って、読み合い、楽しむのもおすすめです。
●ちょっぴりシュールな登場人物たちと、ほっこりな展開。想像も広がりそうです。愛嬌たっぷりだけど、心温まるようなイラストで、何度も絵本をひらいて会いたくなる存在です。
絵本の登場人物は、二足歩行のわんちゃん、ねこちゃん。おいもちゃんも手足があり、二本の足で立っています。わんちゃんは帽子と靴を身に着けていますし、おいもちゃんは白い靴下を履いているようで、なんともシュール。順番に仲間たちが増えていくので、次は誰が登場するのかな、と想像が広がります。
そしてメルちゃんのチャームポイントのもじゃもじゃ頭。私はてっきり髪の毛だと思っていたのですが、なんとふわふわの帽子!泣いているぼっちゃんにかぶせてあげるというビックリな展開に、思わず「えっ」と笑ってしまいました。そんな、ちょっとクスッとしてしまうような、楽しいお話になっています。みんなニコニコ、温かい表情で、泣いているぼっちゃんも最後には表紙のようなにこやかな表情になっています。ユニークな仲間たちにまた会いたくなって、絵本を開きたくなりますよ。
●わんちゃんやねこちゃんなど、子どもが好きな生き物などが登場するので小さな子や赤ちゃんにもおすすめ。〇〇ちゃん、といろんな人を登場させて楽しみましょう。
ひとりがふたり、三人になっていく…。まるで電車じゃんけんのようで、みんなで一緒に遊ぶと楽しさが増していきますね。笑顔も笑い声もどんどん増えていくように感じます。
現在1歳9か月の娘は、絶賛「ワンワン・ニャンニャン」大好き時期で、この絵本を見て真っ先に「ワンワンいる!」「ニャンニャンもー!」と言って、嬉しそうに絵本を開きました。そして、さつまいもを食べるのも大好きだし、お友達と遊ぶのも大好き。娘の大好きが詰まっている絵本だなぁと思いました。お話の響きが楽しいのも重なって、小さいお子さんや赤ちゃんにもピッタリだなと感じます。そして、「チキカン ぼっちゃん」等繰り返してお話しが進むので、ぼっちゃんのところにお子さんの名前を入れて、「チキカン ○○ちゃん」とお話してみると、お話に仲間入りしたようでワクワクした気持ちになるように思いました。
●作者・樋勝朋巳さんの気持ちが、お話と付属のメッセージにたくさん込められています。赤ちゃんへの温かい想いがお話をより豊かにしているように感じます。
作者の樋勝朋巳さんは、もともと銅版画の作家さんだそうです。この登場人物の可愛らしく、引き込まれるような雰囲気はそこから来ているんだなぁと感じました。
また、絵本に付属されているメッセージには、この作品は樋勝さんのはじめての赤ちゃん絵本だそうで、生まれてすぐの、まだまだ自然な生き物に近い赤ちゃんに楽しんでもらえるよう、面白さを追及して作られたこと、そして産まれたのが「チキカングー」というリズム。陽気で、指パッチンしたくなるような、みんなで楽しめるリズム。楽しい気持ちが赤ちゃんに伝わってほしい、という樋勝さんの想いが書かれています。
また、産まれて間もない赤ちゃん。これから生きていく長い人生の中で、ねこちゃんやわんちゃんのような、親切で優しい人に出会えますよ、というメッセージも込められているそうですよ。そんな温かい気持ちがギュッと込められているので、楽しいだけでなく、ふんわりと温かい気持ちになる絵本です。自分も、赤ちゃんやこれから成長していく小さな子たちにとって、わんちゃんやねこちゃん、メルちゃんたちのような温かい存在でありたいと思いました。