くらいのなんか(そんなに)こわくない
暗い所が苦手な子にピッタリ!大丈夫、暗い所はそんなに怖くないよ!暗いから見ることが出来る素敵な空からの素敵なプレゼントが待っています!
☆際立った特徴
- イギリスの絵本作家アンナ・ミルボーンとイラストレーターのダニエル・リエリーが作った、世界各国で翻訳されている絵本。
- 何百個の穴あきのしかけがあり、影と星をかたどっている。(見開き1ページに広がる美しい星空が!!)
- ホントに暗いのって怖いのかな?暗くないと見えない物もきっとあるよ!と伝える事が出来る。
- 穴あきの仕掛けは、少し紙を浮かせて隣のページを覗いてもいいし、空に透かして見ても面白い。読者が自由に興味がある部分を好きな方法で見て楽しむ事が出来る。
☆読み聞かせをもっと楽しむポイント
- 主人公の男の子は、暗いのがちょっぴり怖いみたい。どんな風に怖さを感じているのかな?親子で一緒に共感しよう!お子さんはどう感じているのか聞いてみるのも◎
- 穴あきの仕掛けが何百個もあり、それぞれを様々な見方で楽しめる。穴から次のページを覗いてもいいし、本を左右上下に動かして、どんな風に見えるのか・違った見え方もあるかも?と探して楽しむ事も!
- 暗い所でライトをあててみよう!壁一面に星を映す事が出来る!(モンスターも出現!?)
- 寝る前の1冊としても、キャンプやピクニック行く前の1冊にもピッタリ!
※窓枠など細くて指で簡単に紙が切れてしまいそうな仕掛けがあります。小さなお子さんは指を入れて怪我しないように、保護者の見守りの中で、一緒に楽しんでくださいね。
☆あらすじと書店員の感想
空が暗くなると、見慣れた場所も家の中でさえも、何だか怖い気がしてきます。おばけ?宇宙人?明かりをつければ大丈夫なのに暗くなると怖い気がするのってなんでだろう?
明るい間は、小さくて隠れているって感じだしぜんぜん怖くないけど、夕方になるとだんだん大きくなって全てを包んでしまう物って・・・なんでしょう?
主人公の男の子が怖いと感じているのは、『暗い』という事の様です。
そして暗さが辺りに広がっていくと、怖い気持ちも大きくなってしまいます。
きっと幼い子ども達はみな、多かれ少なかれ、同じような気持ちを持っているのではないでしょうか。
男の子は、夕方になっても忙しければ考える暇がないから、怖い気持ちは消えているけど、いざ一人になって眠る時には、その怖さを再び思い出します・・・。
電気を消す前は、部屋に何があるか全て分かるけど、消してしまうと分からなくなります。自分の見慣れたものしか置いて無かったはずが、「モンスターがいるんじゃないかな。」「窓を誰かがトントン叩いているみたい・・・」と嫌な想像が膨らみ、怖くて仕方がなくなります。こうなったら明かりをつけよう!と、布団から出て急いで明かりをつけたのですが、やっぱり部屋には変わった物もなく、いつもと同じおもちゃが置いてあるだけ。あれれ・・・何かいるような気がしたんだけどな。と不思議に思いながら安心して眠ることが出来ました。
そんな話をパパに話すと、キャンプに誘ってくれました。家よりももっと暗いかもしれない・・・。ドアや壁がないから家よりもっと怖いかもしれない。さあ、どうなるのでしょう。
明かりを消してごらん。美しい物が見えてくっるよ!それは暗くないと見えない物。電気を消す勇気が出る絵本。だって空からのとっておきのプレゼントを見る事が出来るんだから。
キャンプの準備中は、楽しくて面白くて、暗い事なんか気にも留めていなかったけど、いざテントの中の寝袋に入ってランプの明かりを消そうとしたら、だんだん怖い気持ちが襲ってきました・・・。
男の子は、懐中電灯の光で辺りを照らして、あそこに見えるのは何だろう?鳴き声が聞こえるけど誰の声だろう?と確かめます。
だけど、あまりにも広くて大きな外の景色。音の正体を探していたら、ゲームみたいに楽しく思えてきて、思い切って電気を消してみようかなと思い立ちます。そして、それ!と電気を消すと・・・。
見上げた空に数えきれないほどの星がキラキラ光って見えました。「なんて美しいんだろう!すごいや!」電気がついていて明るい時には、気がつかなかったけど、こんなにも沢山の星が見えるんだ!!と男の子は感動します。
今まで【暗い=怖い】と思っていた世界が、こんなにも美しくキレイで、まるで空からプレゼントをもらったような気持ちになったのではないかと思いました。
家に帰った男の子はそれからも、夜ベッドに入ったら電気を消す勇気を持てるようになったようです。きっと本書を読んだ子ども達も、主人公の男の子と同じように電気を消す勇気を持つことが出来るようになると思いました。
さあ、暗いのも悪くないよ。電気を消して夜空を見上げてごらん。君の家の窓からも、美しい星空が広がっているよ・・・★
- 作品名:くらいのなんか(そんなに)こわくない
- 著者名:文 アンナ・ミルボーン 絵 ダニエル・リエリー 訳 青山南
- 出版社:すばる舎