せんろはつづく
電車好きにピッタリ!山があったらどうする?一緒に想像を膨らませてみよう!
☆3つのおすすめポイント
- 線路と線路を繋いでいくと、どんどん長くなっていきます。でも、山があったり川があったりしたら・・・6人の子ども達が考えた解決方法はなんでしょう。君ならどうする?一緒に考えてみよう。
- 動物たちも6人の子ども達を応援するかのように集まってきます。自然が広がる野原や山、川、湖の景色が美しく、そこに住む動物たちがのびのび暮らしているのが伝わってきます。線路も、自然を壊さず、迷惑をかけないように考えられて繋がっていきます。
- 裏表紙の内側に地図が描かれています。線路を繋いだ道です。全体像がつかめたら、目を閉じても親子で本書を読んでいるかのように遊べます。
☆あらすじ
お母さんと赤ちゃん、そして6人の子ども達がいます。
6人の子ども達が線路を見つけます。見つけた線路をどんどん伸ばしていくと、どんどん長くなっていきます。野原に伸び・山にトンネルを掘り・川には鉄橋もかけます。横切る道には遮断器をつけ、大きな池は・・・生き物の邪魔にならないよう回り道をして、どんどんどんどん伸びる線路。最初の線路と繋いできた線路が・・・繋がりましたー!!!!駅も作ります。そこにやってきたのは、赤いボディの蒸気機関車。1両の客車も引いています。そこに乗るのは、6人の子ども達と、お母さんと赤ちゃん。みんなを乗せて列車が走ります。線路がずっと続いています。ポッポーと蒸気を吹かせ進んでいきます。
☆際立った特徴
6人が、それぞれ帽子とサロペットとブーツを身につけて登場です。カラーは黄土色・青・緑の男の子3人と赤・ピンク・黄色の女の子3人です。彼らはなんと、自分たちで線路をつなぎ合わせ、山があればトンネルを作り、川があれば鉄橋を作り、線路を繋げていくために必要な事は何でも自分たちでやり通してしまう、すごい子ども達です。でもでも、自然を壊したり自分たちの都合の良いように、動物たちを追い払うなんてことはしません!山があり、川があり道があり、池がある。ありのままの景色をそのままに、丁寧に線路を繋いでいきます。まるで魔法のようです。
☆書店員の感想
電車を繋ぐために、「山があったらどうする?」「川があったらどうする?」なんて考えたこともなかった質問が本書では読者に問いかけてきます。それに対して「〇〇しよう、〇〇だー!」と6人の子ども達の答えが続きます。テンポよく繰り返される言葉遊びのようで、小さい子どもでも、すぐにセリフを覚えてしまいます。
そして、自然に住む動物たちが嬉しそうに追いかけてきます。6人の子ども達の楽しそうな様子に惹かれて集まってくるのでしょうが、集まるだけでなく脚立を支えてお手伝いしてくれたり、リスも線路を一緒に繋いでいるつもりなのか線路に手を添えている場面があります。
自然を人間の都合の良いように壊したり、動物たちを追い払うなんてことをせず、山があり、川があり道があり、池がある。ありのままの景色をそのままに、丁寧に線路を繋いでいくからこその、動物たちとのふれあいなのではないかと思いました。
●我が家での本書の展開
我が家の子ども達にも本書を寝る前によく読みました。ある日、大好きで大好きで、2回読んだ後に『もう一回読んで!』と言われた事がありました。眠いのに・・・少しイラ立ったからだと思うのですが、「もうおしまい!」と一方的に言い、本を閉じて電気を消しました。すると2人で怒り出して『もう一回読んでよ!』と。
私はもう体を起こすのはしんどかったので、目を閉じて、寝ながら「線路と線路を繋ぐと何になる?」と問いかけました。『長くなる』「山があったよ、どうする?」『トンネルだー』と、どんどん答えが返ってきました。大きな声は禁止にして、小さな声で答えてねと伝えると、その後は私の問いかけに自分達も体を横にして答えました。線路が繋がった後は、「ガタンゴトン ガタンゴトン 電車が走って行ったね・・・もう寝ようか、おやすみ」と言うと、2人共、大満足して眠りました。
それから毎日いろんな本を読んだのですが、読み聞かせが終わると目を閉じて、【せんろはつづく】を使った言葉遊びをしました。時には行き先を変えて線路を走らせたり「〇〇さん(知ってる人の名前)が、おはようって言ってるよ。どうする?」とか本書に無いストーリーを作り、子どもに聞いたり選ばせたりしながら展開していました。まるで空想の世界に線路を伸ばしていくように、いろんなやり取りで遊びました。子どもはどこまでも自由に答えてくれ、それが現実ではあり得なかったりして、そんなー‼とよく笑いました。子ども達も私も満足して、その後スーッと眠りにつけたように思います。
絵本は見て読む楽しみもあれば、見ないでも「あれはこうなったよね」と話ができる楽しみ方もあると私は思っています。時にはお父さんお母さんも疲れて絵本を読んであげられないこともあるでしょう。そんな時には私の方法も試してみてほしいです。色んな考えが聞けることもあって、面白いですよ。
空想の世界に線路を広げていく遊び、オススメです★